「覚える」という作業を行うときに「覚える」という作業だけを行っている人が目立ちます。しかし、効率よく覚えるためには「思い出す」という作業が大変重要になります。
たとえば数学なら、わからずに教えてもらった問題や、解答を見て納得した問題をそこで終わりにせずに、何も見ずに最初の1から解き直してみることです。これを実際にやってみると、わかっていたつもりでも、実はだいぶわかっていないポイントがあることがはっきりします。
社会(歴史、公民、地理)の場合であれば、例えば奈良時代に関してノートに、年度、出来事、登場人物、時代背景、文化などを一覧にして書き上げてみましょう。そして、自分では思い出せなかったところを再度確認して埋めていきます。
このようにして覚えると言う作業のなかに「思い出す」という作業を入れると大変効率よく覚えていくことができます。
高校受験で必要とされる単語数は1000語(公立高校の場合)くらいと言われていますが、これが大学受験となるとセンター試験で3500語、一流大学ともなると5000~6000語以上になります。これだけ多くなると中学時代のように何となく勉強しているだけではとても覚えきれるものではありません。
で、受験期になると多くの生徒がやるのが「一日10語」という覚え方です。今日10語覚えたら、次の日は次の10語、その次にまた次の10語。しかし、このやり方では、よほど記憶力のいい人は別として、普通はとても覚えられるものではありません。
そこで健太郎先生が提唱しているのは、「一週間で70語」という方法です。まず週の最初の日に、その週に覚えるべき70語の単語をノートやカードに書き出し、英語から日本語へ、日本語から語へということを朝、昼、晩の一日に3回くらい繰り返します。数学や物理などの勉強に頭が疲れたときのリフレッシュにこれを行うと、より効果があがるように思います。
そうやって70語を1日3回繰り返し、それを7日間繰り返す。そうすると一つの単語を21回覚える努力をしたことになります。
そして更に、その週に覚えきれなかった単語を次の週のカードにピックアップして同じことを繰り返します。
この方法で覚えるとかなりの割合で覚えていくことができます。もっとも、意志の弱い人には無理かもしれませんが…
大学受験、高校受験もたけなわです。(「たけなわ」の意味がわからない人は、辞書で調べておきましょう。)そこで、これからの短期間で受験に必勝するための定石を紹介します。(「定石=じょうせき」これも調べておくこと。)
短期間で効率よく得点を高めるためには、今から問題集を初めからやっていたのでは間に合いません。では、何をやるのか?
答えは、自分の志望校の過去入試問題です。必ずこれを過去3~5年分解いてから本番に臨んでください。これをやる意味は、以下の通りです。
1)その大学、高校の出題パターン(問題数や問題の並べ方、出題範囲の傾向)に慣れ、しっかりとした時間配分や、どの問題は確実に解き、どの問題は諦めてもよいか、見分けをつけておく。
2)その過程で発見された弱点範囲を、問題集や参考書で効率よく学習しておく。
3)もう一通り解いてしまった人も、以前できなかった問題の解き方をもう一度復習しておく。(人間、一度覚えたつもりでもすぐに忘れてしまうので、この復習が大切。)
これをやることで、得点力は必ず上がります。ぜひ実行してください。
高校生になっても英語があまり得意でない生徒に共通の特徴があります。それは、並んでいる単語を見て、なんとなく全体から意味を想像して和訳してしまうんですね。たとえば次のような英文があったとすると、けっこう多くの高校生が、
The fact that the airconditioners had been invented made it possible to have the movie season during summer like what it is today.
「その事実が空調機を発見させ、夏の間に映画の季節を持つ可能性を作り出し、今日のようになった」なんていう悪魔が作ったとしか思えない和訳をするんですね。
もし彼らが、単語を適当に繋げる前に、この文の主文の主語が、the factで、その述部がmade it possibleだというところから始めれば、この文は一言で言えば、「その事実がそれを可能にした」ということだとわかって、その幹に枝葉の部分を付け足していけばいい、ということになったと思います。つまり全文の訳は、
「空調機が発明されていたという事実が、今日そうであるように、夏の間に映画の季節を持つということを可能にさせました。」
のようになるわけです。
この文が正確に訳せるかどうかは、「主文の主語と述部、特に述語動詞をみつけること」つまり、SとVとを見分けることにかかっています。
ところが、多くの生徒は中学時代の英文は短いので、単語を見てテキトーに並べれば、ナントナク訳が出来上がってしまっていたために、その訓練がなされていないんですね。
これは、高校になってから、複雑な長い文の中でやろうとしても、けっこう困難を極めます。中学の短い簡単な文のうちに、しっかりこの練習をしておかなければなりません。
数学(算数)が得意な生徒と苦手な生徒の違い
その違いはいろいろなところに見られますが、大きな違いの一つは、途中式の計算がきれいに書けるか書けないか。テキストやノートの片隅に、乱雑な数字でゴチャゴチャとやっている生徒は、まず間違いなく数学や算数が苦手です。
学習の早めの段階から、ノートの罫線に従って、大き目のしっかりした文字で書くよう習慣づけしましょう。
三角定規の重要性
よく、中学3年になっても三角定規を使わず、15cmくらいのものさしを使っている生徒がいます。これはだめですね。
なぜかというと、高校入試問題には、60°と30°、45°の直角三角形の性質を利用した問題が頻出されるからです。長い間三角定規を使ってきた生徒は、2:1:√3とか、1:1:√2とか、直角三角形の性質が頭に入っていて、図の中からそうした形が浮かび上がって見えるのですが、「ものさし」しか使ってこなかなった生徒の多くは、それが思い浮かばないようです。
小さなことと思うかもしれませんが、実は意外に大きな違いを生むんですね。
重要なのは「答え」ではない
英語でも番号選びや記号選びの問題が目立ちます。1ページまるまる答えが合っているので、内容がわかっているかというと、ここに落とし穴があります。訳してもらうと全然意味がわかっていないんですね。
これでは英語の力は伸びません。
「穴を埋める」などという姑息な勉強はやめましょう。英語の学習の半分以上は、一つひとつの単語や熟語・言い回しをどれだけ数多く覚えていくかということにかかっています。この地道な努力を怠って英語の実力を伸ばすことはできません。
「穴埋め学習」からおさらばしましょう!
ただ何となく訳すだけではだめ
Which is your sister's bag?
この文を多くの生徒が「どちらのバッグがあなたのお姉さんのですか?」と訳します。文の構造という考え方がないんですね。
この文はもちろん「どちらがあなたのお姉さんのバッグですか?」と訳さなければなりません。
中学時代の短い簡単な英文の学習の中で、文の構造を考えながら忠実に訳す習慣を身につけておかないと、高校の長い文になったらもうアウトです。そこにある単語の意味を適当に並べて訳すことしかできなくなっています。
英文は、原文の構造に忠実に、しかも日本語としても自然に訳さなくてはなりません。